「C値」ってなに?数字の裏にある、暮らしの安心と快適さ
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「C値」ってなに?数字の裏にある、暮らしの安心と快適さ

2025年4月30日

前回のブログでは、「C値」という聞き慣れない数値について簡単に触れました。今回は少し専門的な内容にはなりますが、この「C値」がなぜこれほど大切なのか、そして高性能住宅においてどのような意味を持つのかについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

そもそもC値ってなに?

C値(相当隙間面積)は、住宅にどれだけ“すき間”があるかを示す数値で、単位は「cm²/m²」。つまり、1㎡あたりに何cm²のすき間があるか?ということを表しています。

たとえばC値が5.0であれば、1㎡ごとに5cm²の穴が空いている計算。これはA4サイズの紙2枚分ほどの隙間が家中に空いている状態です。想像してみてください。どんなに断熱材を入れていても、A4用紙何十枚分ものすき間があったら…エアコンの効きも悪くなり、冬は隙間風、夏は湿気が入り放題。住み心地はガタ落ちです。

FORTでは、C値0.5以下をお約束しています。これはハガキ1枚分にも満たないすき間しかない状態。高気密の家を実現するには、単に良い材料を使うだけでなく、施工精度が極めて重要になります。そのため、気密測定によって、そうした“見えない性能”を、しっかりと数値で確認し、お客様にも可視化された形でお伝えしています。

また、気密性は断熱性能を最大限に活かすためにも欠かせない要素です。どれだけ断熱材を厚くしても、気密が確保されていなければ、隙間から熱は逃げてしまいます。つまり、断熱と気密は“セット”で考える必要があるのです。

C値がどう役に立つの?なぜそこまで気密にこだわるの?

高気密の家は、単に“隙間が少ない”というだけではありません。その効果は暮らしの中のさまざまなシーンで実感できます。

・冷暖房が効きやすく、光熱費が安くなる:隙間風で外気が出入りすることがないため、エアコンの負担が減り、設定温度が低くても快適。月々の電気代にも大きな違いが出ます。

・家の中の温度差が小さくなり、ヒートショックのリスクが減る:リビングは暖かいのに、トイレや洗面所は極寒…そんな温度差による体への負担が軽減されます。特に高齢者やお子さんのいるご家庭では重要なポイントです。

・隙間風がなくなり、静かで落ち着いた空間がつくれる:外の騒音も入りにくくなり、室内の音も漏れにくくなるので、読書やリモートワークの集中環境としても快適です。

・計画換気が正しく機能し、空気が常にきれいに保たれる:気密が悪いと、換気扇の効率が落ちてしまい、においや湿気がこもる原因に。気密性を確保することで、家全体が“呼吸するように換気”できます。

FORTのお客様の声からも、「朝起きたときの室温が聞いていた以上に温かくて驚いた」「花粉の季節でも室内が快適で助かっている」といった実感のこもったエピソードが多数寄せられています。

測らなければ、性能は“語れない”

気密性能は、図面やカタログでは分かりません。設計通りに施工されているか?隙間なく処理されているか?

これを確かめる唯一の方法が“気密測定”です。これは専用の機械を使い、家の中の空気を強制的に抜いたときの気圧差を測り、どれだけ隙間があるかを数値化するものです。

FORTではこの測定を全棟で行い、測定値は報告書としてお客様にお渡ししています。特に重要なのが、断熱材を施工した後、内装工事に入る前の“中間測定”です。この段階で隙間があれば、きちんと補修を行い、再測定するという丁寧なプロセスを経ています。

性能は“つくってから測る”のではなく、“つくる途中で確認し、仕上げる”。これが、FORTの家づくりのスタンダードです。

C値の数字に、職人の誇りが宿る

気密性は、“職人の腕”がそのまま数字に出ます。断熱材の入れ方、隙間のテープ処理、配線まわりの細かな気密カバー。どれもがC値に直結します。

FORTでは、気密測定の際に現場監督だけでなく、実際に施工を担当した大工さんもその場に立ち会います。職人一人ひとりが「自分の仕事の結果を数値で見届ける」文化が根づいています。

「この家のC値が0.3でした」と胸を張る職人の姿。それは単なる数字ではなく、目に見えない丁寧な仕事の集積であり、お客様への責任感の証でもあるのです。

このような現場力こそが、FORTの品質の源泉です。

C値はただの数値ではありません。それは「この家がどれだけ丁寧に、誠実につくられたか」の証であり、「これから何十年も快適に暮らせるか」を左右するものでもあります。

家は、目に見えるデザインや設備だけでは判断できません。見えない性能こそ、見える安心に変える。それが、FORTの家づくり。

「見えないもの」こそ、大切に。あなたの暮らしを、数字と技術と誠意で支えます。