間取りや金額を決める前に、なぜかモヤモヤしていませんか?
家づくりを考え始めたとき、多くの人がまず気にするのは「予算はいくら?」「どのくらいの広さが必要?」「土地はどうする?」といった“条件面”かもしれません。でも、いろいろ調べても話を聞いても、なぜかスッキリしない。どの住宅会社も良いことを言っているけど、自分たちに何が合っているのかが分からない──そんな漠然とした不安を抱えていませんか?
そのモヤモヤの正体は、“自分たちの暮らし”という基準がまだ見えていないから。本来、家づくりは「どんな家を建てるか」ではなく、「どんな暮らしを実現したいか」から考えるべきもの。でも、住宅展示場ではキラキラしたモデルハウスや「今だけキャンペーン」の営業トークが並び、気づけば“暮らし”ではなく“条件”で家を選びそうになってしまいます。
FORTにご相談に来られる方も、最初は「情報が多すぎて、何が正しいのか分からなくなった」と口を揃えて言います。でも、その迷いは当然のこと。なぜなら、家は試着も試乗もできず、一発勝負で決めなければいけないものだからです。だからこそ、他人の意見や情報に振り回されない“自分たちの軸”を持つことが、家づくり成功の第一歩なのです。
理想の家ではなく、理想の暮らしを描くという発想
「理想の家って、どんな家ですか?」と聞かれて、すぐに答えられる人は少ないと思います。でも、「理想の暮らしは?」と聞き直すと、皆さん少しずつ答え始めます。
「朝、リビングに柔らかい光が差し込んで、ゆっくりコーヒーを飲める時間がほしい」 「子どもがリビングで絵を描いている横で、私もキッチンカウンターでパソコン作業できたらいいな」 「洗濯物を取り込んで、たたんで、すぐにしまえる家事動線があると、毎日がもっと楽になると思う」
このように“暮らしの情景”を想像することで、本当に自分たちに合った家のカタチが見えてきます。
FORTでは、この「暮らしのイメージ」こそが家づくりの核だと考えています。
たとえば、あるご夫婦は「生活感をなくしたい」とおっしゃっていました。でも深く掘り下げていくと、共働きで忙しい毎日の中、帰宅して最初に見える玄関やリビングが整っていることで“心が休まる場所”にしたい、という願いが見えてきました。そこで、玄関に2WAY動線と大容量のSCL(シューズクローク)を配置し、LDKには隠せるバック収納を設計。見た目だけでなく、心理的にも「ほっとできる家」になったと、とても喜んでいただけました。
自分たちらしい暮らしを見つける「3つの視点」
では、どうすれば“理想の暮らし像”を描けるのでしょうか?FORTが提案するのは、「過去・現在・未来」という3つの視点で暮らしを見つめ直す方法です。
【過去】 これまで住んできた家で、何が快適だったのか、どこにストレスを感じたのかを思い出してみましょう。たとえば、「冬に廊下が寒くて嫌だった」「玄関のニオイが気になった」「子どもの声が響いてストレスだった」など、日々の“体感”にヒントがあります。これらは、家の性能や間取りの工夫で解消できる課題です。逆に「リビングに朝日が入って気持ちよかった」「一階に和室があって便利だった」などの良い思い出も、大切にすべき要素です。
【現在】 次に、今の暮らしを観察してみましょう。家族の動線、物の置き場、過ごす場所、時間の使い方…。収納が足りずに散らかってしまう場所、動線が悪くてストレスを感じる瞬間、家族が自然と集まる場所。そういった“暮らしのクセ”を見つめることで、必要な空間や機能が明確になります。
【未来】 そして最後に大切なのが、「これから」の視点です。お子さんの成長や独立、働き方の変化、健康状態の変化…。未来に起こりうる変化に備えられる設計こそ、“長く快適に住める家”です。特に最近は、在宅ワークや親世代との同居など、ライフスタイルが柔軟に変化する家庭も増えています。
理想像があると、判断に軸が生まれる
住宅展示場や情報サイトを見れば、家の「性能」や「価格」「デザイン」がずらりと並んでいます。でもそれらを見比べるだけでは、本当に自分たちに合った家かどうかは分かりません。なぜなら、そこに“暮らしの基準”がないからです。家づくりは、モノ作りでは決してありません。家族の暮らしを想像し、それを実現していくものです。
一方で、自分たちの理想の暮らし像が明確であれば、「これは自分たちの価値観に合っているかどうか?」という視点で判断できるようになります。 たとえば、20畳のLDKが広く感じるか、狭く感じるかは、そこに何を求めるかで違います。 「広さ」ではなく、「居心地」を基準に考えることが、満足度の高い家づくりに繋がります。
そして、FORTの設計士たちは「設計図を書く人」ではなく、「暮らしを一緒に考えるパートナー」です。打ち合わせのたびに話を深掘りし、何度も描き直しながら、“あなたの理想像”をカタチにしていきます。
まとめ|理想の暮らし像があれば、家づくりはブレない
どんなに性能の高い家でも、どれだけデザインが良くても、「自分たちの暮らしにフィットしていない家」では、きっと後悔してしまいます。逆に、理想の暮らし像が明確になっていれば、土地選びや間取り、予算の優先順位も、迷わず判断できるようになります。
家づくりには“正解”がないと言われます。でも、“自分たちにとっての答え”は、必ず見つけることができます。
その第一歩として、あなたの中にある「こう暮らしたい」という想いを、ぜひ聞かせてください。