堅牢で美しく存在感を放つ外観は、まさに「FORT＝要塞」を象徴する佇まい。ドアを開けると室内に広がるのは、ダークトーンとクールな質感で統一したギャラリーのようなインテリアだ。美術館のようにどこを切り取っても絵になる空間を演出しながら、収納と動線に工夫を凝らすことで、暮らしやすさと美しさを両立。繊細な設計によって、住まいに対するオーナーの美意識の投影とリラックスできる空間を両立させている。

エントランスから直結するLDKは、全面開口から柔らかな光が注ぐ気持ちの良い空間だ。インテリアはグレートーンで統一し、大人がくつろげる空間に仕上げた。左官仕上げの壁、白染色のフローリング、壁の一面はマットな大判タイルでアクセントウォールに。スケルトンのシャープなスチール階段が、アート作品のような存在感を放つ。色数を抑えながら上質な素材感を散りばめた内装に、オーナーが吟味したモダンなフォルムの家具が共鳴し、美しいLDKを形作っている。

空間の主役は、家具のように端正なオーダーキッチン。直線で構成したシンプルなフォルム、ブラウンのマットな面材、ステンレスのカウンタートップの硬質な表情が、クールなインテリアに美しく調和する。ラグジュアリーなライフスタイルを表現する冷蔵庫やワインセラーも、モノトーンで統一。生活感を極限まで抑えた美しいキッチンに仕上げている。隣接する広いパントリーが日常の雑多なものを隠して収納し、オープンな空間を美しく保っている。

住まいの表舞台となるLDK。その美しさを支えるのが、生活動線を考え抜いたプランニングだ。エントランスを入ると、LDKに直行できるゲスト動線と、ファミリー動線に分かれている。ファミリー動線上には手洗いスペースとクロークゾーンを設け、外からの帰宅後に動線上で必要な動きを完了できるよう配慮した。ファッションを愛するオーナーのライフスタイルを考慮し、クロークゾーンにはコートや帽子をたっぷり収納できるスペースを用意。さらに動線上にランドリースペースも設計し、生活感を隠したシンプルモダンを実現している。

２階には、オーナーの趣味である音楽を楽しむためのホビールームを設計。防音設備とオーディオ設備を整え、ギター演奏や好きな音楽鑑賞を満喫できる空間にしつらえた。壁には、オーナーが愛するアートをディスプレイ。静謐なLDKとは一変して、好きなものを散りばめた空間となった。趣味を愛する空間が、暮らしをいっそう豊かなものにするだろう。